山陽花の寺二十四か寺は、
山陽路を巡るピースロード(平和の道)

「八葉の蓮華」にならい、各県に8つの札所

 広島・山口・岡山の中国3県は、風光明媚な瀬戸の海と中国山地に育まれた自然のもと、
古来、東アジアとの交流の回廊として、また、幾多の歴史上の舞台として独自の文化を築き、引き継いできました。こうした豊かな自然と重厚な文化をもつこの地において、美しい花卉草木を有する24か寺は、宗旨宗派を超えて集まり、「山陽花の寺霊場会」を開創(2010年4月8日)いたしました。
 山陽花の寺二十四か寺は、広島・山口・岡山3県の24か寺の札所を巡る花巡札です。お寺 には、巡る道順(札所)があります。仏の菩提心が「八葉の蓮華」に例えられることにならい、各県に8つの札所を設けています。

平和都市ヒロシマで、円の始終を結ぶ霊場

 第一番札所は、世界遺産、海の中の大鳥居で有名な宮島の地にある大聖院、そこから西へと時計回りに進んで山口県の寺院(第二番から第九番)を巡り、中国自動車道を東に向かい
岡山県の寺院(第十番から第十七番)に入り、瀬戸内海沿いを広島県(第十八番から第二十
四番)にもどる円環の巡礼地です。結び第二十四番礼所は世界平和祈念にふさわしい世界
遺産、原爆ドームのある広島市は觀音寺へと道は連なっております。
 当霊場会はこの道を、ピースロード(平和の道)と称し、お寺とお寺を結ぶ海沿いの道、山あいの道を境内に向かえば、春には芳花の装いあり、秋には錦繍の彩りあり、すべてあるべきように美しく、参詣の方々の思いをひとしお、安らけくお誘いいたします。国内はもとより、海外から国家、宗教の垣根を超えて、花を愛し平和を求めて旅ゆく方々に歩み、かつ立ちとどまっていただく道、道々にあふれる恵みを讃え、平和を祈る道であります。
 私たちは、四季の移ろいに合わせて美しく咲き誇る花々を愛でいただき、その美しさや、 生命力の力強さ、そして、限りある生命の尊さを通して、皆さまとお寺とのご縁を紡ぎ、皆さまの間の絆を強めるとともに我が国のみならず、世界の人々に対し、心に安らぎをもたらし、平和への思いを伝えていきたいと考えております。

2010年9月

山陽花の寺霊場会 会長 木 村 文 隆 (第二十四番札所 觀音寺)